空き家の解体費用補助とは
現在、全都道府県において高齢化や人口減少などを背景に空き家が増加しています。空き家は地域の景観を損なうだけでなく、衛生や防犯、防災、罹災などの面で周辺環境に様々な悪影響を及ぼしています。そこで国土交通省は空き家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)を制定し、空き家件数の削減に取り組んでいるところです。その一環として、空き家の解体費用の一部を補助する事業が全国各地の自治体で行われています。ここでは空き家の解体費用補助金について詳しくご案内します。
現在、全都道府県において高齢化や人口減少などを背景に空き家が増加しています。空き家は地域の景観を損なうだけでなく、衛生や防犯、防災、罹災などの面で周辺環境に様々な悪影響を及ぼしています。そこで国土交通省は空き家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)を制定し、空き家件数の削減に取り組んでいるところです。その一環として、空き家の解体費用の一部を補助する事業が全国各地の自治体で行われています。ここでは空き家の解体費用補助金について詳しくご案内します。
自治体による空き家解体費用の補助を受けるには一定の要件を満たす必要があります。ここでは主な要件をご紹介します。ただし、要件は自治体によって異なりますので、申請書類の記入内容や届出方法、誓約内容など詳しくはお住まいの自治体のホームページをご確認いただくか、担当窓口にお問い合わせください。なお、倒壊の恐れや衛生上問題のある空き家、いわゆる「特定空き家」と定義された場合、市町村は「空家等対策特別措置法」に基づき、撤去または修繕の「助言」、「指導」、「勧告」の行政指導を行えるようになりました。「勧告」を受けた所有者は固定資産税の減免措置が受けられなくなりますが、それでもなお状況が改善されない空家の所有者には「勧告」よりさらに踏み込んだ「命令」が下されます。命令違反者には50万円以下の過料が科されることがあります。
多くの自治体では「昭和56年5月31日以前に着工された住宅(戸建住宅併用住宅)」を補助の要件としています。なぜ昭和56年5月31日以前に建築された空き家を要件としているかといえば、昭和56年6月1日から建築基準法施行令の耐震関係基準が大幅に強化され、施行されたためです。したがって、昭和56年5月31日以前の基準(旧耐震基準)により建てられた住宅は、十分な耐震性を有していない可能性があるため、国土交通省は旧耐震基準の建物の解体費用を補助し、現行の耐震関係基準に満たない空き家の戸数を減らしたい考えです。
地方自治体による空き家の解体工事費補助を受けるには、当該地方自治体内(市内、区内、町内、郡内、村内)に空き家が所在する必要があります。たとえば石川県珠洲市や秋田県鹿角市、岩手県花巻市、福井県福井市などの自治体で解体費補助を受けるには、取り壊す空き家が同市内にそれぞれ立地している必要があります。空き家の解体を予定している方は、補助の申請書類提出に先立ち、空き家の住所を改めてご確認ください。
空き家の解体工事費用補助を受けるには、解体する空き家に所有権以外の権利が登記されていないことが要件となります。所有権以外の権利とは、たとえば、抵当権や根抵当権、質権などの担保権、地上権や賃借権などの用益権を指します。なお、 担保権とは、ローンなどの債務が返済できなくなった場合に、その不動産を売却して代金から返済を受ける権利、用益権とは他人が所有する土地を、一定の目的のために使用・収益するための権利です。
空き家の解体費用補助を受けられるのは、取り壊す空き家の所有者または相続人です。それ以外の第三者は補助や助成の対象外となります。ただし、近年は空き家の所有者または相続人が高齢者施設に入居しているなどの事情から、建物を解体せずに放置しているケースが目立っており、第三者は着手できないため社会問題化しています。
空き家の解体補助を受けるには、市税や区民税、村民税、町民税を滞納していないことが要件となります。市税などは自治体によって異なりますが、たとえば軽自動車税(種別割)、市たばこ税、固定資産税、都市計画税、国民健康保険税などの税金が市税に含まれます。もし、市税を滞納している方は、補助の対象者とはなりませんので、税金滞納金の有無をご確認ください。
空き家の構造ごとの解体補助についてご案内します。ここでは木造の空き家と鉄骨造の空き家のそれぞれのケースについて、補助の内容をご紹介します。補助の内容は、最寄りの自治体が定める規定、要綱によって決まりますので、解体工事前に自治体のHPや担当課窓口などで詳細をご確認ください。
現在、国内各地に点在する空き家の大多数は木造であり、木造空き家の解体工事費用を補助する自治体は数多くあります。一般的に木造家屋は、鉄骨家屋に比べて解体工事費用は安く済みます。しかし、空き家の中には50年以上にわたって放置されたものもあり、そうした空き家は躯体そのものが著しく老朽化しているため、重機で解体すると倒壊してしまうので手壊し解体と呼ばれる手作業を余儀なくされます。そうした工事は解体費用がかさみますので、事前の補助申請が極めて重要になります。
鉄骨造家屋はその名のとおり、構造部分に鋼材でできた柱を使用しているため、「鉄骨カッター」などの特別な工具を使用する必要があります。その分、木造家屋より鉄骨造家屋のほうが、解体費用が高くなる傾向があります。また、鉄骨の厚さ6mm未満を軽量鉄骨造、6mm以上を重量鉄骨造と呼び、この差も解体費用に影響します。鉄骨空家の解体費用が補助されるかどうかは、取り壊す空家が所在する自治体にご確認ください。
全国各地の地方自治体では空き家の解体費用の一部を補助する事業を行っています。ここでは山形県最上郡真室川町、福岡県北九州市、岐阜県中津川市、群馬県高崎市、高知県高岡郡越知町、高知県安芸郡芸西村を例に、具体的にどのような助成事業を行っているのか紹介します。
山形県最上郡真室川町では、町内の景観保護や町民の安全安心の確保を図るため、空家の解体撤去費の一部を補助する「真室川町危険老朽空き家解体助成事業」を実施しています。
補助の対象となるのは、町税等を滞納していない世帯で一定の条件を満たす方です。補助金は、対象工事の2分の1以内とし、町内業者利用の場合は上限75万円、町外業者の場合は上限50万円です。住宅以外にも付属家(作業場、物置、車庫など)も解体費用の対象としています。
福岡県北九州市では、「老朽空き家等除却促進事業」に基づき、倒壊や部材の落下の恐れがある危険な空家などの除却に要する費用の一部を補助しています。補助の対象となる家屋は、昭和56年5月以前に建築された老朽空家などです。このうち、建築物が倒壊したり、屋根、外壁などが落下、飛散するおそれがある場合や屋外附帯設備等(看板、給湯設備、屋上水槽、 屋外階段、バルコニー等)が脱落、転倒等するおそれがある場合に、解体工事費用の一部が補助されます。
岐阜県中津川市では、「中津川市空家解体支援事業補助金」を創設しており、空家の解体費用の一部を補助しています。補助件数は15件程度で、補助金額は解体に係る費用の3分の 1で上限 30万円です。「空家である期間が概ね1年以上の物件」「空家に所有権以外の権利が設定されていない物件」「公共事業による移転等の補償対象でない物件」「補助金交付決定前に解体されていない物件」などが補助金交付申請要件となります。
群馬県高崎市では「高崎市空き家緊急総合対策」の一環として、空家の解体費用の一部を補助しています。助成を受けられるのは、「高崎市内に存し、住居として建築した建築物であること」「生活の拠点として居住していた経緯と、10年以上居住その他の使用がなされていないことを確認できる空き家等であること」「空き家等に抵当権等が設定されていないこと」などの要件をすべて満たした方です。要件を満たした場合は、助成対象経費に5分の4を乗じて得た額(上限額100万円)が補助されます。
高知県高岡郡越知町では、移住や定住を促進するため「越知町空き家改修費等補助金交付事業」を行っています。同事業に基づき、越知町が空家の改修費用を補助します。最大で182.4万円の補助を行う制度です。ほかにも越知町では、「高知県木造住宅耐震化促進事業費補助金」を活用した補助制度「越知町木造住宅耐震リフォーム補助金交付事業」や「越知町住宅リフォーム補助金交付事業」なども行っています。越知町のように空家の「解体」ではなく「改修」や「リフォーム」にかかる費用の一部を補助する自治体も多数あります。
高知県安芸郡芸西村では「空き家再生住宅(お試し滞在住宅)」「空き家再生住宅(移住者支援住宅)」「空き家バンク登録物件」「芸西村空き家バンク制度」など空き家に関して幅広い事業を行っています。また、芸西村では平成26年度より「空き家再生等推進事業」を行っています。これは村内にある空家を、移住者の受け入れのための住宅として活用するものです。ほかにも「空き家再生等推進事業」などで空家の有効活用を図っています。
そのほか、以下の自治体でも腐朽した空家解体・除去費用の一部を補助する事業や耐震補強事業、「空き家バンク」「空家等利活用事業」などの対策事業を行っています。自治体によっては「空家等利活用事業」に基づき賃貸借契約を締結すると、200万円を上限に改修費用の補助金が出る場合があり、大幅な負担軽減となります。地方自治体によっては空家対策事業の強化により、古家付きの土地の売買が活発化するなどの効果が表れています。また空家抑制の一環として古家付きの土地をお持ちの方は、まずは不動産会社にご相談されることをおすすめします。
地方 | 市区町村 |
---|---|
東北地方 | 青森県南津軽郡田舎館村、岩手県盛岡市、宮城県仙台市、福島県福島市 ほか |
関東地方 | 埼玉県さいたま市、茨城県水戸市、栃木県栃木市 ほか |
中部地方 | 新潟県新潟市、長野県木曽郡木祖村、富山県富山市・黒部市、山梨県甲府市、静岡県静岡市 ほか |
近畿地方 | 三重県津市、和歌山県和歌山市、滋賀県大津市、奈良県奈良市 ほか |
中国地方 | 鳥取県江府町、島根県松江市、広島県東広島市、岡山県岡山市、山口県山口市 ほか |
四国地方 | 徳島県名東郡佐那河内村、高知県安芸郡奈半利町、香川県高松市、愛媛県松山市 ほか |
九州地方 | 宮崎県宮崎市、佐賀県佐賀市、長崎県長崎市、大分県大分市、鹿児島県鹿児島市 ほか |
空家解体費用補助金の上限は、自治体によって異なります。石川県珠洲市では「補助対象経費の2分の1(上限100万円)」、秋田県鹿角市では「解体撤去業者による解体および撤去処分費用の2分の1以内」とし、総合的な適正管理度ごとの上限額は「総合的な適正管理度がレベル3に近似したレベル2の場合:30万円」「総合的な適正管理度がレベル3の場合 :50万円(市県民税所得割が課税されていない世帯は70万円を限度)」としています。岩手県北上市の空家解体費用補助は工事費の3分の2の額(上限70万円)となっています。
家屋については空家の解体補助以外にも様々な助成制度があります。ここでは空家以外の家屋や敷地内の構造物を対象とした解体工事に関わる助成制度をいくつかご紹介します。なお、ご紹介する助成制度は自治体によっては事業化されていなかったり、助成の内容は年度ごとに変更となる可能性がありますので、申請前に必ず最寄りの自治体のホームページをご確認頂くか、担当課窓口に届出るようにしましょう。また、補助金や助成金は、解体工事終了後に発行される解体証明書や費用領収書を行政が確認した後、初めて給付・支給されます。給付・支給までに一定期間が生じることをご承知おきください。
現行の耐震診断に基づき耐震基準を満たしていない家屋、つまり昭和56年5月31日以前に着工した建築物を建て替える場合、多くの自治体では建て替え建設費用の一部を補助しています。要件は自治体によって異なりますが、「木造二階建て以下の一戸建ての住宅(延べ面積の2分の1以上を住宅の用途に供しているものを含む)であること」や「在来軸組工法により建築されていること」などが主な要件となっています。ほかにも多くの自治体で「建替え後の住宅が省エネ基準に適合すること」を要件に掲げており、環境に配慮した住宅づくりが進められています。なお、建て替えやリフォームをする場合、住宅が完成するまでの仮住まいの居住費、家財道具の運搬費や廃棄費など解体費用以外の費用負担が施主に生じることがあります。廃棄物を処理する際は、一般廃棄物と産業廃棄物それぞれの適切な処理方法に基づいて廃棄ください。
著しく老朽化した腐朽家屋、特に木造家屋は倒壊の恐れがあるほか、ひとたび火災が発生すると延焼する恐れがあります。そこで東京都区部などでは災害危険度の高い木造密集地域を不燃化特区と定め、区域内で老朽化した建物を除却する場合、上限1,000万円までを補助する「老朽建築物除却助成」を行っています。同じく某区では「都市防災既存建築物除却助成事業」と称し、木造解体工事の場合、21,000円/平方メートル(上限210万円かつ工事費内)を補助しています。ほかの自治体でも「老朽危険家屋解体工事補助金」「危険廃屋解体撤去補助金」などの事業名で、周辺住民の安全を確保するため解体費用の一部が補助されます。極度に老朽化した家屋は躯体そのものが極めてもろくなっており、重機ではなく手壊し作業で着工します。手壊しで着手した場合は、解体相場が上昇しますのでご注意ください。
老朽化したブロック塀は地震や台風で倒壊する恐れがあります。そのため、全国の多くの自治体では空家だけでなくブロック塀の解体費用の一部を補助する事業を行っています。補助の対象となるブロック塀は自治体によって異なりますが、一般的には「高さが1mを超えるブロック塀」などの要件を満たす必要があります。また、補助額としては、撤去費用の1/4〜1/2、上限金額は5万円〜15万円程度が一般的です。また、「ブロック塀が通学路に面している」といった条件を満たすと、補助の割合が高まる場合があります。
アスベスト(石綿)は飛散すると人体に悪影響を及ぼすことから、多くの地方公共団体ではアスベストが使用された住宅を解体する際に、その費用の一部を補助しています。補助金額は自治体によって異なりますが、アスベスト除去に要する費用の相当分の3分の1以内、上限100万円などと規定されています。また、解体する建物にアスベストが含まれているか否かを調査する事業も「アスベスト調査事業」などの名称で活発に行われています。この調査にかかる費用についても多くの自治体が補助しています。
空家を解体した後の土地は大きく分けて「更地」か「整地」となります。更地は建物を解体しただけの土地ですが、整地はタイヤローラーやロードローラーなどの重機で地盤を踏み固めた状態を指します。更地よりも整地のほうが重機を使用する分、費用はかさみますが、土地を売買する際は高く売れる場合があります。
老朽化した空家は、一定規模の地震によって倒壊するリスクがあります。どれほど小さな空家でも、倒壊すれば近隣住宅に深刻な被害を及ぼしかねません。また、倒壊は免れたとしても、屋根から瓦が落下して歩行者にケガを負わせたり、屋根上のアンテナが強風で飛ばされて隣家の外壁を傷つけたりと、空家は様々なリスクをはらんでいます。また、空家の多くは木造であるため、燃えやすく、周辺で火災が発生すると延焼する可能性があるほか、愉快犯による放火などの犯罪を招く恐れもあります。また、空家の中には不法投棄が日常的に行われる家屋もあり、景観を悪化させるだけでなく、道路にあふれ出た不法投棄物が緊急車両の通行の妨げとなることもあります。。ほかにも空家は害虫や害獣の温床となることもあり、地域社会の共通課題となっています。なお、国税庁では空家の譲渡に関して特例措置を講じて空家の削減に取り組んでいます。具体的には被相続人が相続開始の直前に老人ホームなどに入所していた場合も、一定要件を満たせば適用対象となるというものです。 特例の適用を受けるためには、「相続開始日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までであること」などの要件を満たす必要があります。
当社は空家を含む家屋や一戸建以外にも、アパート、マンション、宿舎などの集合住宅の解体工事も坪数に関係なく承ります。新築、建て替え・売却物件、借地・仲介物件、買取物件、仮設住宅、古家を問わず幅広く対応致します。また、住居以外にも飲食店や小売店、コンビニエンスストアなどの商業店舗、各種施設、倉庫、上屋、長屋、別棟、地下室、小屋、納屋、野積倉庫を含むプレハブ倉庫、物置、浄化槽、井戸、水道設備、土蔵、土間の解体に加え、躯体や骨組みだけを残す工事、いわゆるスケルトン工事もお任せください。銭湯やその煙突、鉄塔といった特殊形状の解体も出来るだけ安値で解体します。敷地内に建つ部分付帯工事、囲い、犬走り、ウッドデッキ、サンルームなどの解体もお任せください。カーポート、車庫、ガレージ、カスケードガレージなどの駐車場周りのほかにも梁解体や柱の切離し・分離工事、床の張替、屋根の葺き替え、スレート解体、天井撤去、地中埋設物を掘り起こす工事や埋め立てる工事なども承ります。ブロック塀の解体撤去、舗装されたアスファルトの斫り、タイルを剥がす工事などのほかにも、敷地内の土地や区画の庭石の移動、庭木、樹木など木々の伐採、裁断、地中埋設物を掘り起こす作業や撤去、その後のコンクリートや木くず等の廃材の処理、敷地内の整地、跡地更地といった付帯工事でも幅広い施工実例があります。コロナ対策にも万全を期して作業に当たります。まずは当社の解体費用無料見積もり(合い見積りもOK)をご利用下さい。